2020
10/12
相続税の税務調査について(その2)
こんばんは。
今回は相続税の税務調査についての続きになります。
相続税の税務相談を受けていると、税務調査の有無についてよく相談者から
ご質問を受けます。「必ず税務署は来るのか?」「税務署職員は厳しい質問
をするのではないのか?」「不正が見つかって追徴課税されるのではないのか?」…
さて、上記の質問のうち、相続税の税務申告をすれば必ず税務調査が入るのか?
という疑問については「NO」という回答になります。国税庁が発表している
「平成30事務年度における相続税の調査等の状況」によれば、全相続税の申告
件数約105,000件のうち、実地調査の件数は税務調査約12,500件、簡易な接触
が10,300件ということで、実地調査が行われる割合が約12%、簡易な接触
が入る割合が9.8%となっております。ざっくりいうと10件相続税の申告が
あれば、1件は税務調査があり、1件は電話などの問い合わせが入るという
ことの理解で良いでしょう。
そして、相続税において税務調査が入る基準は以下のような視点が業界では
言われております。
①相続税の評価額が高額な場合
②預貯金や株式資産の高額な場合
③相続人が海外に資産を有していたり、相続人が海外に在住している場合など
④その他
税務署も人的資源には限りがありますから、やはりリスクの高い申告案件、
あるいは金額の大きな金額の案件を基準に税務調査の対象としているのが
わかります。
なお、上記④については、税務署が独自に保有している情報によって実地調査の
是非を判断しているというものです。例えば、相続税を専門に申告をしている
税理士に対しては税務調査が少なく、普段は法人税等の申告をしている税理士
がたまに相続税の申告を行うと、ほぼ必ず税務調査が入るといった傾向はあります。
申告する税理士の力量や経験も税務署は見ているように強く感じます。