こんばんは。
少し時間が空いてしまいまして申し訳ございません。
さて、今回は配偶者に対する相続税額の軽減、いわゆる相続税における配偶者控除についての
手続面についてのお話をしましょう。

配偶者に対する相続税額の軽減の適用を受けるためには相続税の申告書を提出することが定め
られております(相続税法19条に2第3項、相続税法基本通達1の6条の第3項)。
また、以下の書類を添付する必要があります。
・遺言書の写し
・遺産分割協議書の写し(全相続人の署名押印)及び印鑑証明書
・生命保険金や退職金などの支払通知書

上記の手続面で重要なことは、配偶者に対する相続税額の軽減を受ける場合は必ず確定申告が
必要であるということです。
実際に起こった事例なのですが、夫が死亡し、約1億円の評価額の財産を妻が相続しました。
妻は自分で相続税の勉強をし、1億円の相続税額では配偶者に対する相続税額の軽減制度の
適用があるため、相続税がかからないものと誤解してしまいました。
以前に投稿した「基礎控除額」以内の相続に関しては申告は不要ですが、この配偶者に対する
相続税額の軽減の場合は税務申告が必要です。結構混同される方がおられるようなので、十分
注意してください。

先ほどの1億円を妻が相続して申告しなかった例については、その後税務調査が入り、その被
相続人(妻)に対して、税務申告をしなかった無申告加算税、申告期限に相続を納めなかった
延滞税、相続税申告を意図的に行わなかったをみなされた場合に課される重加算税が課されて
しまい、大変多額の納税額になってしまいました。