こんにちは。
今回は相続税がかからない財産について数回にわたって投稿したいと思っております。
相続税では原則として相続又は遺贈(死因贈与を含む)によって取得した全ての財産が
その課税の対象となります。ここで「原則として」と記載があるように例外規定が認め
られており、相続等によって 取得した財産の中にはその性質や社会政策的な見地、国民
感情などから相続税の課税の対象とすることが適当でないものをこの例外規定とし、
相続税の課税対象としないこととしております。
概括すると次のようになります(相法12、相法70)。
①皇室経済法によって行為とともに皇嗣が受けた物(→これはいわゆる三種の神器とよ
ばれるものが該当します。)
②墓地、霊びょう、仏壇、仏具(→後述します。)
③公共事業を行う人が、相続又は遺贈によって取得した財産で、その公益事業の用に供する
ことが確実なもの(公益事業用財産)
(→社会福祉事業などを行う人が公益目的使用の財産を取得した場合などが該当します。)
④心身障害者救済制度に基づく給付金の受給権(→心身障碍者救済制度を受けている人に
対する優遇措置になります。)
⑤相続人が受け取った生命保険料のうち、一定の金額(→後述します。)
⑥相続人が受け取った退職手当金などのうち、一定の金額(→後述します。)
⑦相続財産などを申告期限までに国などに寄付をした場合における、その寄付財産
(→相続等によって財産を取得した者が、国や地方公共団体などに寄付した場合の優遇措置
になります。)
⑧相続財産である金銭を申告期限までに特定公益信託に支出した場合におけるその金銭
(→相続等によって財産を取得した者が、その金銭を特定公益信託に支出した人に対する
優遇措置です。)
このうち、一般の方に関係ありそうな規定としては、②⑤⑥が該当すると思います。 ②について
は、具体例としては、墓地、墓石、おたまやのようなもののほか、これらのものの尊厳の維持
に関する土地やその他の物件については、祖先崇拝の慣行を尊重するために課税対象から外さ
れております(相基通12-1)。なお、仏具といっても金の仏像などの骨とう品や投資目的で
所有するものは 非課税とはなりませんので要注意です。