2020
8/30
小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例(その2)
こんばんは。少々間が空いてしまいましたが、小規模宅地特例の2回目の投稿に
なります。なお、当該特例制度は居住用宅地(専ら住むための宅地)のみならず
事業用宅地(商売で一部利用している宅地)でも適用があるのですが、簡単に
説明するためここでは居住用宅地のみを前提にお話を進めてまいります。
さて、前回は当該特例の概要についてご説明しましたが、今回はどのような人が
当該特例制度を利用できるのか述べてみましょう。
①配偶者がその宅地を取得した場合(取得要件のみ)
②同居親族が取得した場合→被相続人と同居していた親族(同居継続要件)が、その宅地
を取得し(取得要件)、申告期限まで引き続き保有し(保有要件)、かつ、その家屋
に居住している場合(居住継続要件)
③非同居人が取得した場合→この場合、特例制度が利用できるケースはかなり狭めら
ているのですが、例えば、転勤等の会社勤務の都合で一人暮らしの親と同居できず
一般の借家住まいをしている子が相続した場合は当該特例制度の利用が可能です。
④生計を一にする親族の居住の用に供されていた宅地等を非相続人の配偶者又は
一定の要件を満たす親族が取得した場合→このケースは例えば親が子(被相続人が
所有していた宅地等の上で居住している。)からの仕送りを受けて老人ホームで生活
していた場合が該当します。
よくご質問があるので補足ですが、①のケースについては取得要件のみが求められて
おり、同居継続要件や居住継続要件といったものは求められておりません。従いまして、
例えば相続人と同居していない配偶者が物件を取得した場合も当該特例の適用があります。
また、実務的には建物あるいは土地のみ相続人が保有しているケース、建物と土地が
別々に親族・配偶者で相続するケース等非常に複雑な事例が生じて当該特例制度の
適用が非常に難解になるケースが生じる場合もあります。